a


「買ったよシリーズ番外編」
6.エンタープライズを買ったよ。

「プラモ」と言えば「ガンプラ」。
ということになってから幾年月。今やタイガー戦車のプラモを置いてないおもちゃ屋はあっても、ガンプラを置いてない店は無い。
そんな21世紀日本で、息子が突然ガンプラを作り始めた。アニメなんか全然見てないのに。仲の良い友だちと一緒に始めたらしい。そう。ガンプラには「始める」という言い方が似合う。
息子が作ったのは「ストライクガンダム」というやつの100分の1スケールの物だ。
接着剤を使わないで組み立てられる上に、塗装をしなくてもそれなりの色が着いているため、お手軽感がある。しかし出来上がりは非常に良くて、関節もクリクリ良く動く上にしっかりしていて、色々なポーズを取れる。実は私も昔、ふたつみっつガンプラを作ったことがあるが、素材や仕組みが進化しているように感じた。爆発的に売れたからこそこれだけのものになったのだろう。

会社をズル休みしたある平日のこと。
学校から帰って来た息子に、おもちゃ屋へ行こうと誘われた。新しいガンプラが欲しいのだと言う。私もちょっと見たい物があったので行くことにした。
自宅から歩いて1分半の店へ。息子はプラモ売場に直行だが、私はあちこち見回しながら進んでいく。
「猿の惑星(新作)」関係のフィギュアが安売りされている。欲しくないけど。マジンガーZの超合金に心惹かれる。買わないけど。
うひゃあ!「虎の穴本部貯金箱」だって!虎の背中に鷲の翼が付いて尻尾がヘビのあれの形の貯金箱(箱か?)。ちょっと欲しい。ファイトマネーの50%を貯金するのだ。貯金しないとミスターXがやって来て脅されちゃうのだ。3000円もしたのでやめた。ソフビたいな素材なのに。

ようやくプラモ売場へ到着。息子は山ほどあるガンプラの一角で右往左往している。私はつーっと奥へ。あったあった。ガラスケースの中に私の目標、「U.S.S.ENTERPRISE NCC-1701(スペル間違ってないよね?)」の完成品が。
プラモデルはめったに作らないが、これだけは気になってしょうがなかった。完全塗装済み、接着剤不要の組み立てキット、しかも電飾のギミック付き。
ケースの中の完成品は、ライトを点灯させてはいないが、非常に美しく、私の目と心を惹き付けた。
欲しい。完全塗装済みということは、私が作ってもこの美しさになるわけだ(というのはとんでもない間違いだと後に思い知らされるのだが)。
しかし6000円か…(定価6500円のところこの店は一割引きだった)。息子のガンダムは1400円なのに。って、小学六年生が買うものと比べてもしょうがないが。値段はともかく、作るのにどのくらい時間がかかるんだろう?
ちょっと考えようと、息子の様子を見に行った。まぁ、心は八割がた決まっていたが。

息子は息子で、欲しかった物が無くて、そこにあるものでどれにしようか迷っていた。
「これとこれならどっちがいいと思う?」と、私に訊いてくる。
「こっち」私は重厚な感じのする「バスターガンダム」というのを指さした。
「そうかぁ。そうかなぁ」まだ迷っている。
横にズゴックがあった。バスターガンダムは知らないがズゴックなら知っている。
「これにしろよこれこれ。ズゴック。いいぞぉ、ズゴック」
「やだ」
まあ自分で決めなさい。

高校生くらいの二人組がガンプラの前で語り合っていた。
「グフは男の勲章だよな」なんて言っている。そうか。そうなのか。グフは男の勲章なのか。で、どういう意味だ?
結局息子はバスターガンダムに決めたようだ。よし。私もエンタープライズの箱を持って来る。
「え、買うの?それ買うの?」
買うさ。
買うさ作るさ。
「スケールは?なんぶんのいち?」
ガンプラを始めるとスケールを気にするようになるのだ。箱には850分の1と表示されていた。

行きがかり上、息子のガンプラも私の財布から支払って、二人で大きな袋をぶら下げて帰宅した。道々息子が訊いてくる。
「ピカード艦長の人形とか付いてるの?」
そんなもん付いてねーよ。そもそもピカードの船じゃないし。

家に着くと息子は早速作り始めたが、私は今日のところは手を着けずに、箱から部品を出して眺めるにとどめた。
部品の数はそんなに多くはなかった。息子の1400円のガンダムのほうが部品の数はずっと多い。


箱写真


部品すべてと説明書。写真撮影後箱に戻したらフタが
閉らなくなった。組立作業に不安を覚える。


まぁ、落ち着いて作ることにしよう。部品を箱に戻していると妻が言った。
「で、それ出来上がったらどこに置くの?」
狭小住宅においては常にそれが最大の問題なのだ。

次回「エンタープライズを作ったよ」につづく

2003.5.25 GOBDASHA


だらだらTopへ

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送